「枕の理想的な高さってどう判断するの?」
「枕の高さが合っているか確かめる方法はある?」
枕の高さが合っているかは、睡眠の質を高める上で重要なポイントになります。
しかし、理想的な高さの枕といわれても、どうやって選んだり合わせたりすればよいか分からない方も多いと思います。
そこで、ここでは理想的な枕の高さや高さのチェック方法について詳しく解説していきます。
- 理想的な枕の高さのポイント
- 使用中の枕が合っているか確かめる方法
- 高さ調節が可能なおすすめ枕
目次
理想的な枕の高さは?ポイント3つ!横向きの測り方も説明
理想的な枕の高さは、次の3つがポイントです。
3つのポイント
- 立っているときの姿勢を維持できる
- 首と枕の間に隙間ができない
- 横向き寝の場合は頚椎が床と平行になっている
上記、3つのポイントを解説していきます。
枕の高さのポイント①立っているときの姿勢を維持できる
理想的な枕の高さを実現するポイント1つ目は、立っている時の姿勢を維持できるかです。
実は、立っている時の姿勢が理想的な寝姿勢です。
人間の体は直立姿勢を楽にするために背骨がS字状にカーブしています。背骨の曲線がそのままの状態を維持できて寝ることができれば、快眠に繋がります。
立っている時の姿勢を保った状態で寝るには、枕の高さが重要になります。仰向けのときはS字ライン、横向きのときは直線ラインを描ける高さの枕が理想的です。
枕の高さのポイント②首と枕の間に隙間ができない
理想の枕の高さのポイント2つ目は、首と枕の間に隙間ができないことです。
人間が仰向けに寝ると、頭部は全体重の8%の圧力がかかるため、体重が60㎏の方の場合は、頭部に4.8㎏の重さがかかっている計算になります。
このとき、首と枕の間に隙間があると、4.8㎏の重さを首周りの筋肉や頚椎が支えることになります。
枕の役割は後頭部から首にかけたカーブの隙間を埋めて、頚椎を自然な状態で支えることです。そのためにも、首と枕の間に隙間が無くフィットする枕を選ぶべきです。
枕の高さのポイント③横向き寝の場合は頚椎が床と平行になっている
理想の枕の高さを実現するポイントの3つ目は、横向き寝の場合は頚椎が床と平行になっていることです。
横向き寝のときの理想的な寝姿勢は、直線ラインを描くようになっている状態を指します。
この直線ラインとは、頚椎から背骨までが一直線となり、床(マットレス)と平行になっている状態を指します。
枕の高さが合っていないと頚椎が歪んでしまう可能性もあるため、頚椎と床(マットレス)が並行になるように高さを調整しましょう。
枕の高さが適正か確認する方法
枕の高さが適正か自宅で確認する方法は次の2つです。
- 横からスマホなどで写真を撮る
- 仰向け時の目線が真上よりやや下になっているか
枕の高さを確かめるなら、寝具店の店員に相談するのが望ましいですが、寝具店に行く時間が無い場合は上記2つの方法を試してみましょう。
2つの方法について詳しく解説します。
チェック方法①横からスマホなどで写真を撮る
枕の高さが合っているか確認する方法の1つ目は、横から写真を取る方法です。
自分が普段使用している枕とマットレスで仰向けになって寝てみて、その状態をスマートフォンやタブレット、デジタルカメラなどで撮影してみます。
このとき、枕は正しい位置にあてないと、枕の高さが合っているかどうか分かりません。枕の正しいあて方は次になります。
- 枕の中身が偏らないように均す
- 首が枕に乗って肩が枕の裾につく
- 後頭部から首筋が枕の上に乗る
もし、枕の高さが合っていなければ、写真を撮影するとあごが引き気味になっていたり、反対に後頭部が下がってあごが上がっている状態になっています。
自分に合った枕の高さは何センチなのか知りたい場合は壁を利用して計測しましょう。
- 壁を背にして直立する
- あごを若干ひく
- そのままの姿勢で、壁から首の一番深いカーブ部分の距離を測る
壁から首の一番深いカーブ分の距離は一般的に男性の場合は5cm~6cm、女性の場合は3cm~4cm程度で、測った距離にプラス2cmが丁度よい高さの枕になります。
チェック方法②仰向け時の目線が真上よりやや下になっているか
枕の高さの確認方法でさらに簡単なのは仰向け時の目線をチェックする方法です。
仰向けで寝た時に、目線が真上よりやや下になっているなら、枕の高さが合っている証拠です。
もし、目線がかなり下、あるいは上を向いているようだと枕の高さが合っていません。
枕の高さが合わないと起こること
枕の高さが合わないと、次のような悪影響が起きやすくなります。
- 肩こり・首こり
- 顔がむくむ
- いびきをかく
それぞれ、順番に解説します。
枕の高さが合わないと起こること1 肩こり・首こり
枕の高さが合わないと、肩こり・首こりが起こる可能性があります。
肩こりや首こりなどは、筋肉がこわばることで周囲に老廃物が蓄積し、血管が圧迫されることが原因で発生します。
高さのあっていない枕を使っていると、首の後ろあたりが不自然に圧迫されてしまい、結果として肩こりや首こりなどが起きやすくなります。
枕の高さが合わないと起こること2 顔がむくむ
枕の高さが合わないと、顔がむくむ可能性があります。
むくみとは皮膚の下に余分な水分が溜まった状態を指します。後頭部のあたりが低い枕を使っていると、血液や水分が頭部や顔のあたりに溜まってしまい、顔がむくみやすくなります。
血液や水分が溜まってむくんでいると、老廃物も溜まりやすくなるため、女性の場合は化粧のノリが良くない場合があります。
枕の高さが合わないと起こること3 いびきをかく
枕の高さが合わないと、いびきをかく可能性があります。
これは、枕の高さが合っていないと気道が塞がってしまい、睡眠中の呼吸が少なくなる、あるいは呼吸できないという事態を招き、結果としていびきをかくようになるからです。
いびきを日常的にかいて眠っていると、次のような悪影響が考えられます。
- 日中でも眠い
- 集中力・記憶力の低下
- 疲労感が抜けない
枕の高さの調整方法
枕の高さを調整する方法は次の2つです。
枕の高さの調整方法
- 中の素材の量を増減する
- タオルを使って高さを上げる
それぞれ、順番に解説します。
高さ調整方法1 中の素材の量を増減する
枕の高さを中の素材の量の増減で調整する方法です。
枕の素材(中材)は種類にもよりますが後から増減することで高さを調節することが可能です。高さの調節が可能な素材は次になります。
- ラテックス
- マイクロビーズ
- ポリエチレンパイプ
- ひのき
- 小豆
- そば殻
これらの素材は劣化した場合、交換・補充がしやすいというのもメリットです。
高さ調整方法2 タオルを使って高さを上げる
枕の高さをタオルを使って調整する方法です。
低い枕を使用しているときは、枕の下にバスタオルやハンドタオルなどを敷いて高さを調節します。
タオルは折りたたむことで厚みの微調整が可能になるため、自分にとって理想の高さを探してみましょう。
自分で高さ調整できる枕のおすすめ3選
高さを自分で調整できる枕のおすすめを紹介します。
最近の枕は特殊な構造をしており、自分で高さを調節できる枕も販売されています。その中でおすすめの枕は次の3つになります。
- 2way設計とシートで高さ調整「モットン高反発まくら」
- 老舗の高さ調整枕「西川らくらくフィット」
- おすすめの高さ算出も可能「Dr.Layer枕」
それぞれ、順番に解説します。
2way設計とシートで高さ調整「モットン高反発まくら」
価格 | 1個単品:17,800円 2個セット:30,600円 |
---|---|
サイズ | 55cm×40cm×3cm~11cm |
素材 | ウレタンフォーム |
モットン高反発まくらは、前後で高さの異なる2WAY設計となっており、全部で6枚ある高さシートの組み合わせによって最大50通りの調整が可能な枕です。
自分の好みの高さに微調整がしやすく、やわかめと・かためという2つの選べる硬さが用意されているのもポイントです。
老舗の高さ調整枕「西川らくらくフィット」
価格 | 9,900円 |
---|---|
サイズ | 63cm×43cm×7.5cm~10cm |
素材 | ポリエチレンパイプ |
西川らくらくフィットは、自宅でも簡単に調節が可能となっている枕です。上記のサイズは届いたときの寸法になりますが、高さが足りない時は補充用パイプで簡単に調整ができます。
仰向け・横向きでも後頭部と頚椎をしっかりと支える立体構造になっています。
おすすめの高さ算出も可能「Dr.Layer枕」
価格 | 5,478円 |
---|---|
サイズ | 60cm×30cm×12cm |
素材 | ウレタンフォーム・吸湿シート |
Dr.Layer枕は、高さ調整用のAIがセットになった日本初の枕です。スマートフォンに必要な情報を入力するとおすすめの高さが算出されます。
合わない場合はスマホの指示を聞きながら5mm単位の層を抜くことで微調整が可能で、自分に合った高さが見つかります。
高さ以外で枕選びに重要なこと
枕を選ぶときに高さは重要なポイントですが、次の3つも枕を選ぶときに重要なポイントになります。
- 枕サイズ
- 枕の素材
- 枕の形
枕サイズ
枕のサイズは体型や性別、寝返りの大きさなどを考慮して選ぶべきです。
サイズ | おすすめの人 | |
---|---|---|
シングル | 35×50cm | 体の大きい成人男性や横向きで寝たい方 |
セミシングル | 43×63cm | 小中学生や女性 |
セミダブル | 50×70cm | 年齢や性別を問わず幅広い世代 |
基本的に、現在使用している枕で朝起きた時に、枕から頭がはみ出ていない、落ちていなければ同じサイズの枕で問題ありません。
ですが、朝起きた時に枕から頭が落ちている、ズレているときは大きめの枕を選びましょう。
枕の素材
枕は様々な素材を使用していますが、素材によっては肌触りや硬さが理由で合っていない場合があります。
特徴 | 感触 | おすすめの人 | |
---|---|---|---|
ラテックス | 優れた体圧分散性と弾力性 | 沈み込みすぎない柔らかさ | 幅広く対応 |
羽毛 | 通気性に優れていて、復元力が高い | 包み込まれる柔らかさ | 柔らかい枕が好みの人 |
羽根 | 値段が安く、耐久性に優れている | 柔らかいが、羽根軸の感触が分かる | コストパフォーマンスにこだわる人 |
高反発ウレタン | 手で押すとすぐに跳ね返ってくる | 適度な硬さ | しっかりと頭と首を保持したい人 |
低反発ウレタン | 頭の形状や寝姿勢に合わせて形を変える | 包み込むようなフィット感 | 柔らかい枕が好みの人 |
マイクロビーズ | 超極小粒のビーズを使用した枕 | マシュマロのような柔らかさ | 柔らかい枕が好みの人 |
ポリエステルわた | ポリエステルを綿状にした枕で厚みがある | フワフワと柔らかく、弾力性もある | ボリューム感のある枕が好みの人 |
高反発ファイバー | 反発力が高く、しっかりと支えられる | 硬い | 寝返りが大きい人 |
スマッシュフォーム | フィット感やサポート性能に優れる | フワフワと柔らかい | 柔らかい枕が好みの人 |
ポリエチレンパイプ | 通気性に優れている | 硬い | 枕の高さを調節したい人 |
ウール | ソフトながらしっかりと支える | フワフワと柔らかい | 柔らかい枕が好みの人 |
ひのき | 通気性が高く、ひのきの香りがする | 硬い | 睡眠中に汗をたくさんかく人 |
小豆 | ひんやりとした冷たさ | 硬い | 睡眠中に汗をたくさんかく人 |
表は枕の素材ごとの特徴や質感、おすすめの人をまとめたものになります。
枕の素材を大別すると、柔らかいか硬いかの二択になります。自分がどちらの枕が好みなのかを考えると、素材を絞って選択することが出来ます。
枕の形
枕の形も最近はバリエーションが豊かになっており、次のような種類があります。
特徴 | おすすめの人 | |
---|---|---|
標準タイプ | 素材をそのまま詰め込んだタイプ 中心部にボリュームがある |
幅広い世代が利用できる |
ドーナツタイプ | 中央部分が窪んだタイプ 中央くぼみタイプ、ドーナツ形ともいう |
後頭部をしっかりと支えたい方 |
ダブルサイズタイプ | 横に長いタイプ ダブルサイズベッドに向いている |
パートナーと一緒に寝たい方 寝返りが大きい方 |
分割タイプ | 中材をユニットで分割しているタイプ 高さ調節がしやすい |
枕の高さを調節したい方 |
波形タイプ | シルエットが流曲線になっているタイプ | 首元までしっかりとサポートされたい方 |
肩までサポートタイプ | 特殊な形状の枕 頭や首だけでなく、肩や上半身までサポートする |
複数箇所を同時にサポートされたい方 |
上記の表以外にも枕の形状はありますが、選ぶときのポイントは次の2つになります。
- 寝ている最中に素材が偏らない
- 仰向け・横向きのどちらでも理想的な寝姿勢を得られる
基本的には標準タイプの枕で問題ありませんが、肩こりや首こり、いびきなどで悩んでいる方は特殊な形状の枕も検討してみましょう。
当サイトマットレス大学が総力を挙げて全23メーカー28商品の枕を徹底比較し、スペックを数値化してランキングにしました。
最高の安眠枕はどれなのかが分かりますので、枕選びで迷っている方は参考にしてみてください。