
「寝付きが悪い原因はなんだろう?」
「寝付きを良くしたいけど、何をすればいいのか分からない…」
寝付きが悪いと睡眠の質が下がり、体や心に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。そのため、寝付きが悪いと感じている方は、原因と良くする方法を知っておきましょう。
そこで今回は、寝付きが悪い原因と良くするための方法を解説します。また、寝付きについて男女700名に行ったアンケート調査もお伝えします。
- 寝付きが悪い原因
- 寝付きを良くする方法
- 寝付きに関するアンケート結果
目次
寝付きが悪い原因
寝付きが悪いとは、ベッドや布団に入って30分~1時間以上かけても眠りにつけない状態を指します。不眠症の1つで入眠困難とも呼びます。
不眠症の種類 | 概要 |
---|---|
入眠困難 | 寝付くまでに時間がかかる 寝ようとしても眠れず、焦ってしまう傾向がある |
中途覚醒 | 眠りが浅くて途中で何度も目が覚める ノンレム睡眠とレム睡眠のバランスが狂ってしまう |
早朝覚醒 | 起床したい時間よりも早い時間帯に目が覚めてしまう 目が覚めてしまうと、もう一度ねることができない |
熟睡障害 | 眠りが浅く、睡眠時間を確保しても熟睡できない 睡眠の質が低下しているため、体から疲れが取れない |
上記のような不眠症の症状は同時に複数あらわれることがあります。
寝付きが悪くなる主な原因は以下の通りです。
- ストレス
- 生活環境
- 生活習慣
- 病気の影響
上記の原因を順番に解説します。
ストレス
ストレスが原因で寝付きが悪くなる可能性は高いです。
人間は自律神経によって、全身の器官やホルモンなどを制御しています。自律神経は交感神経と副交感神経によって成り立っています。
- 交感神経…脈拍や血圧を上昇させて体を興奮させる神経
- 副交感神経…脈拍や血圧を下げて、体を休めさせる神経
交感神経が優位に立つと体は活発な状態となり、副交感神経が優位になると体は休もうとして自然と眠くなります。日常生活を送っていると自然と交感神経と副交感神経のバランスが取れて、夜になると眠ることができます。
しかし、ストレスは自律神経のバランスを乱し、交感神経を優位にする状態が続いてしまい、夜になっても寝付けない状態に陥ります。
寝付けない状態が長く続くと、ストレスに対応できるホルモンの分泌量が減ってしまい、更にストレスに弱くなる可能性も指摘されています。
そのため、ストレスを長く受け続けていると、寝付きが悪くなる可能性は高いです。
生活環境
寝室の生活環境が悪いと、寝付きも悪くなる可能性があります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針 2014 」によると、寝室や寝床の中の温度や湿度は体温調節に影響を与えるため、寝付きや睡眠の深さに関係します。
例えば、寝室やベッドが冷たいと手足の血管が収縮し、体内部の温度が効率的に下がらず、寝付きが悪くなる可能性が高いです。そのため、季節に応じて温度や湿度をコントロールできるように寝具を選び、清潔な状態を保ちましょう。
また、明るい光は目を覚ます作用があるので、寝る時は寝室の明かりを消し、外の電灯や車のライトが射しこまないように遮光カーテンを設置すると良いです。
ほかにも、マットレスがヘタっている、枕の高さが合わないなどの状態では睡眠の質が低下して不眠症に陥る可能性があるので、定期的に寝具を交換しましょう。
生活習慣(体内時計が狂う)
生活習慣が乱れていると、体内時計が狂ってしまい寝付きが悪くなります。
人間の体には概日リズム(サーカディアンリズム)が備わっており、24時間周期のリズムを刻んでいます。
地球の自転による24時間周期に同調しているため、人間は昼に目が覚めて、夜になると自然と眠くなるようになっています。しかし、人間の体内時計の周期は24時間よりも若干長い、あるいは若干短いため、放置していると徐々にズレていきます。
体内時計のズレを抑えるために人間には同調因子が組み込まれており、光や食事、運動などの日常生活を行うことで24時間周期のリズムにリセットされます。
しかし、何らかの理由によって体内時計が狂ったままでいると、寝付きが悪くなり眠れなくなる、あるいは早朝に目が覚めてしまうなどの不眠症の症状があらわれてしまうので注意しましょう。
病気の影響
体や心に病気を抱えていると、寝付きが悪くなる場合もあります。
例えば、何らかの身体的な病気で痛みやかゆみ、せきなどの症状が続いていると寝付きが悪くなり、寝ようとしても寝られない傾向は高いです。また、高血圧の方が服用する降圧剤やがん治療のための抗がん剤は副作用で不眠をもたらす可能性があります。
精神的な病気では、神経症やうつ病、統合失調症などは症状に不眠が現れます。
特に、精神的な病気を患っている方は寝付けない状態が続くと、「眠らないといけない」と自分を追い込むようになり、かえって寝付けなくなり症状が悪化する恐れがあります。
寝付きを良くする方法
寝付きを良くする主な方法は以下の通りです。
- 体内時計を整える
- 日中はできるだけ動く
- 部屋の照明を少し落とす
- 寝る前はリラックスする
上記の方法を順番に解説します。
体内時計を整える
寝付きが悪い場合は、生活習慣を見直して体内時計を整えてみましょう。
人間の体は体内時計を調整する因子があり、日常の行動を積み重ねることで自然とズレが治まります。そのため、朝起きてから夜寝るまでに、次のようなことを行ってみましょう。
- 毎朝同じ時間に起きて朝日を浴びる
- 毎朝決まった時間に朝食を食べる
- 毎日決まった時間に昼食をバランスよく食べる
- 毎日ある程度の運動を行う
- 就寝する1時間~2時間前に入浴を済ませる
- 就寝する前にカフェインを摂取せず、スマートフォンに触らない
特に重要なのは、毎朝同じ時間に起きて朝日を浴びることです。
人間の体は起きた瞬間から寝るための準備を始めようとしており、ホルモンの分泌や生理的な活動が行われます。そのため、起きる時間がバラバラだと、寝付く時間もズレてしまい、結果として寝付きが悪くなります。
また、日光を浴びるとメラトニンの分泌が止まります。メラトニンは脳から分泌されるホルモンで、睡眠を誘う作用があります。朝日を浴びることでメラトニンの分泌が止まるため、体内時計がリセットされます。
ほかにも、朝食や昼食をバランスよく食べることや、就寝する1時間~2時間前に入浴を済ませる、カフェインを摂取しない、就寝直前にスマートフォンに触らないなどは、自律神経のバランスが整う効果を期待できます。
体内時計を整えたい方は、まずは毎朝決まった時間に起きて、朝日を浴びて、朝食を食べることから始めてみましょう。
日中はできるだけ動く
寝付きを良くするために、ある程度の運動が推奨されています。
日光は脳の、朝食や昼食は肝臓や膵臓などの内臓の体内時計を整える働きがあります。一方で、肺や骨格、筋肉などの体内時計は運動によって整えることができます。
また、運動を行うと栄養素が内蔵や筋肉に取り込まれて代謝が促進されるので、体に良い影響を与えます。そのため、日中にある程度の運動を行うことが推奨されています。
ただし、激しすぎる運動は体に負担を与えてしまい、寝付きを悪くする恐れがあります。
寝付きが悪い方は、負担が少なく、長続きするような早足の散歩や軽いランニングなどの有酸素運動を行ってみましょう。
部屋の照明を少し落とす
寝付きが悪い方は、なるべく部屋の照明を落とすようにしましょう。
メラトニンは睡眠中にも分泌され、睡眠の状態を維持しようとします。しかし、部屋の電気を付けたまま寝ていると、メラトニンの分泌が抑えられて目が覚めてしまい、睡眠の質が低下する恐れがあります。
メラトニンの分泌が抑えられていると、スッキリと目覚めることができず、体内時計がズレてしまう可能性もあります。
部屋の照明だけでなく、スマートフォンやタブレット、テレビなどの明かりもメラトニンの分泌を抑える可能性があるので、寝る時は画面を消すと良いです。
寝る前はリラックスする
寝付きを良くするためには、寝る前にリラックスした状態になりましょう。
体がリラックスした状態になっていると、自律神経の副交感神経が優位な状態になります。副交感神経が優位な状態では心拍数や血圧が低下して、体と心が休息状態に切り替わり、睡眠の質に良い影響を与えます。
そのため、寝付きが悪いと感じている方は、寝る前にリラックスできる方法を試してみると良いです。ただし、リラックスできる方法は人によって異なります。
次の方法はリラックスできる代表的な方法ですが、人によっては合わない可能性があるので注意しましょう。
- 就寝前1時間~2時間前にぬるめのお風呂に入る
- 音楽を聞く
- 読書をする
- アロマを嗅ぐ
- ストレッチやヨガを行う
- 腹式呼吸を繰り返すなど
寝付きが悪い時どうしていますか?男女700名にアンケート
マットレス大学では、ランダムに選出した男女700名に対して、「寝付き」に関する、次のようなアンケート調査を行いました。
- 性別・年齢
- 寝付きは良いか
- 寝る前の環境が寝付きに影響すると思いますか
- 寝付きを良くするための対策
- 寝付きをよくする⽅法
- 寝付きが悪い場合の寝付くまでの時間
- 寝付きが悪いときの原因
- 寝付きに関する悩み
アンケートの結果を順番に解説します。
寝付きは良いか
男女700名に対して、寝付きは良いかをお聞きしました。
寝付きが悪いと答えた方は全体の42.9%となりました。
寝る前の環境が寝付きに影響すると思いますか
男女700名に対して、寝る前の環境が寝付きに影響すると思いますかをお聞きました。
寝る前の環境が影響あると答えた方は、全体の57.9%でした。
寝付きを良くするための対策
男女700名に対して、寝付きを良くするための対策をお聞きしました。
寝付きを良くする対策で一番多かったのは、「静かな環境を作る」で全体の27.7%となりました。
ほかにも、次のような方法が多く挙がっています。
- 読書や音楽を聴く…16.2%
- ベッドのマットレスや枕を工夫する…16.0%
- ストレッチやヨガをする…13.0%
- アロマや入浴剤を使用する…6.8%
- お酒を飲む…6.0%
寝付きをよくする⽅法
男女700名に対して、寝付きを良くする方法をお聞きしたら、次のような意見が多く挙がりました。
- 牛乳や白湯を飲む
- 昼間にできるだけ日を浴びる
- 寝る前にスマホやPCを触らない
- 日中の運動
- 睡眠導入剤の服用など
また、少数意見ながら、次のような方法も挙げられています。
- うたた寝する前に寝る準備を整えておく
- 満腹にする
- 疲れ果てる
- ヤクルト1000を飲む
- 足元を温める
- 鼻歌を歌う
寝付きが悪い場合の寝付くまでの時間
男女700名に、寝付きが悪い場合の寝付くまでの時間をお聞きしました。
- 10分以内に寝られる…5.9%
- 10分から30分程度かかる…21.0%
- 30分以上かかる…52.6%
- 時間によってまちまち…20.6%
寝付くまでの時間は30分以上の方が多く、全体の52.6%となりました。
寝付きが悪いときの原因
男女700名に、寝付きが悪いときの原因をお聞きしました。
- 疲れている時…7.0%
- ストレスを感じている時…71.6%
- 寝る前に飲酒や食べ過ぎている時…7.1%
- その他…14.3%
寝付きが悪い原因で最も多いのは、ストレスを感じている時で全体の71.6%となりました。
寝付きに関する悩み
男女700名に、寝付きの悩みに関する意見をお聞きしました。
寝付きに関する悩みで多かった意見は以下の通りです。
- 家族が寝室を明るくすることを好む
- 考えごとや心配がある時は寝付きが悪い
- 夜中目が覚めてから寝られない時がある
- トイレが近くて寝られない時がある
- 予定があり翌日の起床時間が厳守のときは必ず寝付きが悪い
- 体は疲れているのに、頭が休まらずに眠れないことが多い
- 横向きでないと寝られない
- パートナーと好きな室温が異なりうまく寝付けない
一方で、次のような少数意見もあります。
- 電化製品やパソコン周辺機器のLEDの明かりが気になる
- 寝付きが悪くし、途中で目覚めてしまう
- 睡眠導入補助のタブレットに関心はあるが少し価格が高いので常飲できない
- 寝る体勢が落ち着かない
- 不眠症で薬を飲まないと眠れない
寝付きが悪いアンケート総括
今回、寝付きについて男女700名への調査により、次の事がわかりました。
- 寝付きが悪いのは全体の42.9%
- 寝る前の環境で寝付きに影響すると思うのは全体の57.9%
- 寝付きを良くする対策で多いのは静かな環境を作る27.7%
- 寝付きを良くする方法で多かった意見は牛乳・白湯を飲む
- 寝付くまでの時間で30分以上かかるのは全体の52.6%
- 寝付きが悪い原因で多いのはストレス71.6%
- 寝付きの悩みで多い意見は心配事があると寝れない
男女700名のうち、全体の約4割の方が寝付きが悪いと感じており、原因として多く挙げているのは「ストレス」です。
また、全体の57.9%が寝る前の環境が寝付きに影響を与えると考えており、「静かな環境を作る」ことが寝付きを良くする対策として最も多く挙げられています。
寝付きを良くする対策としては、「読書や音楽を聴く」「ストレッチやヨガをする」「アロマや入浴剤を使用する」などのリラックスする方法が多く挙げられていることから、ストレス対策を重視している傾向が読み取れます。
ストレスは寝付きを悪くする可能性が高い原因です。そのため、ストレスの原因になることの解決や、自分なりのリラックスできる方法を見つけることが、寝付きを良くするためのおすすめの方法です。
ただし、人によって寝付きが悪い原因は異なり、ストレス以外に環境や体内時計のズレ、病気などの可能性もあります。また、解決できると断言することは難しく、アンケートでも様々な対策が挙げられています。
寝付きが悪くて悩んでいる方は、早めに医療機関の診断を受けましょう。
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